LMSって何?
LMSとはLearning Management Systemの略で、日本ではeラーニングシステムとも呼ばれています。インターネットを利用したオンライン教育学習ツールであり、IT技術の発展に伴って普及が急速に進みました。受講者の学習記録を分析することができるようになり、従来よりも受講者に寄り添ったサービスを提供することが可能になったのです。コロナ禍を経てオンラインでの教育が当たり前になった現代、LMSは今や教育分野において欠かすことのできない存在です。
しかし一方で、LMSと言っても種類が多くてどれを使ったらいいのかわからない…という方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、LMSを選ぶ際のポイントについてお話していきます!LMSの選択に少しでもお役に立てば嬉しいです!
【選ぶ際のポイント】
LMSの提携形態について
LMSの提携形態には、主に以下の2種類が存在します。
◆オンプレミス型…自社でサーバーや通信回線などのシステムを構築し、独自の環境下で運用を行う形態のことを指します。必要な機能をカスタマイズできる点や、自社内にネットワークを構築できる点にメリットがあると言えるでしょう。一方で、保守やメンテナンス・セキュリティの管理を自社で全て行わなければならないため、高度な技術が必要になります。
◆クラウド型…オンライン上のサーバーで提供されているシステムやサービスをインターネット接続によって利用する形態のことです。サーバーを自社で購入する必要がなく、コストが抑えられる点や複雑な設定が不要である点がメリットです。加えて、システムの更新やセキュリティ対策も自社で行う必要がないため、導入のハードルが低いと言えるでしょう。しかしカスタマイズに制限があり、サーバーが自社の所有するものではないといった懸念点もあります。
数あるLMSから自社にあったものを選択する際には、どの形態が合っているか吟味する必要があります。
利用規模・権限の上限
LMSを検討する際に欠かせないのが、どのくらいの規模で利用するのか、そしてどのくらいの人に管理権限を与えるかという点を考慮することです。多くのLMSは利用人数によって価格が変動します。加えて、コンテンツを管理できる権限に関しても、人数に制限があることが多いでしょう。
よって価格などを検討する際には、利用規模や権限の上限を比較してみることがおすすめです。
SCORMに対応しているかどうか
皆さんは「SCORM」が何かご存じですか?SCORMとは、Sharable Content Object Reference Modelの略で、日本語では「共有可能なコンテンツオブジェクト参照モデル」と言われています。これだけ聞くと「なんのことかわからない…」と感じる方が多いかもしれませんが、簡単に言うとeラーニングにおいて標準となる規格のようなものです。SCORMに対応したLMSを用いると、以下のことができます。
- 違うLMSを跨いで学習コンテンツを再利用でき、互換性が生まれる
ex) A社のLMSで利用していた学習コンテンツをB社でも引き継いで使える - 学習コンテンツとLMSとの通信を統一化
例えば、利用していたある企業のLMSが何らかの理由により使えなくなった場合、他のLMSに移行する必要があります。その際SCORMに対応していなければ、今まで使っていた学習コンテンツは他の環境(LMS)で利用することができないため、新規LMSで再度学習コンテンツを作り直さなければならないのです。一方SCORMに対応している場合、既存の学習コンテンツを新規LMSに移行することができます。こういった面でコストや時間を大幅に削減できるんです。
◆SCORMのバージョンと違い
上記のようにSCORMが対応しているLMSは互換性があり、相互間で学習コンテンツを共有することが可能ですが、バージョンの違いには注意が必要です。SCORMには現在4つのバージョンが存在します。近年一般的に採用されているのはSCORM1.2またはSCORM2004です。
〜バージョンの種類と機能〜
SCROMのバージョンと機能については以下の表を参考にしてください。
SCORMのバージョンが違うと学習コンテンツの再利用や互換性に支障が出るかと思います。十分に確認した上でLMSを選択しましょう。
求める機能が搭載されているか
LMSを比較・検討する際には、求める機能がどのくらい網羅されているのか確認する必要があります。LMSの利用といっても、活用シーンはさまざまです。
(例)
・学生向け教育サポートシステム
・企業における新人研修
・Webセミナーや動画配信プラットフォーム
・社内SNS
どのような場面で使うかによって欲しい機能は異なります。数あるLMSから最もマッチしたものを選ぶ必要があります。導入の前に求める機能をリストアップしておくと良いかもしれません。
UI/UX
用途によっては、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)にも注意を向ける必要があります。どれくらい見やすいのか、どれくらい使いやすいのかといったことだけでなく、対応している言語数などあらゆる側面からの検討が必要です。例えば海外の方が利用する可能性がある場合には、多言語対応であることが求められます。ユーザーの規模や特徴を元に使い勝手の面でも考慮することをお勧めします。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回紹介したLMSを選ぶポイントはあくまで一部です!実際に検討する際には、各LMSの導入事例なども参考にしながら最もマッチしたLMSを検討してみてください。以下に国内でよく利用されているLMSのサイト情報を記載しますので、ぜひお役立てください。